Comparison/2026年11月8日/1 min read

医学論文検索AI 8選(2026年): 日本語で使える論文検索ツールを比較

医学論文をAIで探すツール8つを、日本語での入力、出典の示し方、料金で比較します。OpenEvidence、Consensus、Elicit、エビでやんす、Bibgraph、PubMed CLOUD、Felo、Wysor。2026年11月時点。

医学論文を探す方法は、ここ数年で大きく変わりました。PubMedに検索式を打ち込む代わりに、質問を文章で入力すると、AIが論文を探して要約し、出典を示してくれるツールが増えています。日本語で質問できるものも珍しくありません。

一方で、ツールによって検索対象のデータベース、出典の示し方、料金、登録の条件はかなり違います。この記事では、医師や研究者がよく名前を挙げる8つのツールを、同じ観点で整理しました。情報は2026年11月時点で、各社の公開情報に基づいています。料金や機能は変わることがあるため、利用前に各社サイトで確認してください。


比較表

ツール提供元日本語での入力出典の示し方料金(2026年11月時点)
OpenEvidenceOpenEvidence(米国)可回答に論文・ガイドラインを引用認証済みの医療従事者は無料
ConsensusConsensus(米国)各社サイトで確認回答に論文を引用無料プランあり、Pro 月額20ドル
ElicitElicit(米国)各社サイトで確認論文の一覧と抽出結果無料プランあり、Plus 月額12ドルから(月払い)
エビでやんすメディカルトリビューン可PubMed論文と抄録の日本語要約無料(会員限定)
Bibgraphヒポクラ × マイナビ可(MeSHへ自動変換)PubMedなど5つのデータベースの論文無料(医師の会員登録)
PubMed CLOUDケアネット可(英語に自動翻訳して検索)PubMed論文(タイトルを日本語表示)無料(CareNet.com会員)
FeloFelo(日本)可回答に参照元を表示無料プランあり、Pro 月額2,099円
WysorWysor(ドイツ)可記述ごとにPMIDなどの出典無料プランあり、Plus 月額19.99ユーロ

1. OpenEvidence

米国発の医療従事者向けAI検索です。臨床の質問を入力すると、論文やガイドラインを引用しながら回答します。日本の医師も医師免許などの資格書類で認証を受けて登録でき、認証済みの医療従事者は無料です。日本語で質問すると日本語で回答が返ります。

  • 医療従事者向けに設計された臨床AI検索
  • 日本からの登録が可能(2026年11月時点)

登録方法や料金の仕組みは「OpenEvidenceは日本で使える?」で詳しく解説しています。

2. Consensus

学術論文を対象にしたAI検索エンジンです。質問に対して関連する論文を探し、要約と出典を返します。医学に限らず、幅広い学術分野をカバーしています。

  • 研究の結論を横断的に要約する機能
  • 無料プランあり。Proは月額20ドル、年払いでは年144ドル(同社ヘルプより)

3. Elicit

論文の検索と、論文からの情報抽出を支援するAIリサーチツールです。系統的レビューのように、多くの論文から同じ項目を取り出して表にまとめる作業に使われています。

  • 論文ごとの抽出結果を表形式で整理
  • 無料プランあり。有料はPlus 月額12ドル、Pro 月額49ドル(月払い、2026年11月時点の公開情報より)

4. エビでやんす(メディカルトリビューン)

メディカルトリビューンが提供するPubMed論文検索サービスです。日本語で検索でき、AIによる抄録の日本語要約を表示します。

  • 日本語で検索し、抄録を日本語要約で確認
  • お気に入り登録や検索履歴の機能。無料(会員限定)

5. Bibgraph(ヒポクラ × マイナビ)

医師向けの論文検索ポータルです。日本語の検索語をMeSHに自動変換し、商品名を一般名に変換する医薬品辞書も備えています。PubMedのほか、J-STAGEやCiNiiを含む5つのデータベースをまとめて検索でき、タイトルと抄録は日本語に機械翻訳されます。

  • 日本語からMeSHへの自動変換
  • 国内外の論文データベースを横断検索。無料(医師の会員登録)

6. PubMed CLOUD(ケアネット)

ケアネットが提供するPubMedの日本語検索・論文管理ツールです。日本語のキーワードを英語に自動翻訳してPubMedを検索し、論文タイトルを日本語で表示します。検索式や検索履歴をクラウドに保存し、パソコンとスマートフォンで共有できます。

  • 検索式の登録と、文献のフォルダ管理
  • 無料(CareNet.com会員)

7. Felo

日本発のAI検索エンジンです。回答に参照元を示し、学術分野の論文やサイトを優先して検索するモードがあります。

  • 日本語での検索と要約
  • 無料プランあり。Proは月額2,099円、年払いでは月あたり約1,750円

8. Wysor

Wysorは、医療データバンクを備えたマルチモデルのAIワークスペースです。日本語で質問すると、PubMed(約4,000万件の論文)、Europe PMC(約1,000万件の全文)、FAERS(副作用報告)、約25.6万件の医薬品添付文書、EMA、ClinicalTrials.govを検索し、日本語で回答します。

  • 回答の記述ごとにPMIDなどの出典を示し、撤回論文にはフラグを表示
  • Claude、GPT、Gemini、Grok、Mistral、Perplexity、オープンソースモデルから選択
  • 調べた内容をもとに、英語論文の翻訳、文書の下書き、メール対応まで同じ画面で行える
  • EU内(AWSフランクフルト)でホスティング、モデル提供事業者でのゼロデータリテンション、学習への不使用、DPA付き
  • 無料プラン、Plus 月額19.99ユーロ、Premium 1ユーザーあたり月額29.99ユーロ

Wysorで日本語からPubMedを検索する流れは「PubMedを日本語で検索する方法」で紹介しています。


選び方: 3つの観点

1. どのデータベースを探したいか。 PubMedの論文を日本語で拾い読みしたいなら、エビでやんす、Bibgraph、PubMed CLOUDのような国内サービスが手軽です。国内の論文データベースも一緒に探したい場合は、横断検索の範囲を確認してください。臨床の質問に文章で答えてほしい場合は、OpenEvidenceやWysorのような回答型のツールが向いています。

2. 出典をどこまでたどれるか。 AIの要約は便利ですが、診療や論文執筆に使う前に元の論文を確認する必要があります。記述ごとに出典が付くか、PMIDやDOIから原著に直接移れるかは、ツールを選ぶうえで大切な点です。

3. 入力した内容がどう扱われるか。 論文検索の質問に患者さんを特定できる情報を入れないのは基本ですが、研究テーマや未発表のアイデアを入力することはあります。入力内容が保存されるか、学習に使われるかは、各ツールの利用規約やプライバシーポリシーで確認してください。考え方は「ゼロデータリテンションとは」で解説しています。


まとめ

医学論文検索AIは、日本語で使える国内サービスから、臨床の質問に答える回答型ツールまで、選択肢が広がっています。普段の調べ物に合わせて、複数のツールで同じ質問を試し、出典の傾向を比べるのが確実です。Wysorも無料プランで試せます。

あわせて読みたい